ニュージーランドの自然保護地域では、自然公園管理計画を10年ごとに改定して、それに沿って国立公園などの運営が行われています。例えば、計画を上回る観光客が訪れてオーバーユースが顕在化しているアオラキ/マウントクック国立公園やクイーンズタウン周辺、ミルフォードサウンドなどでは、公園内営業権利によってガイド付きツアーの入り込み数が厳しく管理されています。また、公園外に車を駐車してシャトルバスで移動する「パークアンドライド」の導入も検討されています。
近年では、海外のインフルエンサーなどが個人的にお客さまを集めて営業権利が無い状態でツアー的な行為をする例が増えています。これに対してDOCでは2016年から専門の自然保護官を増員して、主要観光スポットやハイキングコースで運輸省や警察と共同で集中摘発を行っています。2018/19年の夏には、テアナウ~ミルフォードサウンド間の国道で約2000件の無許可ドライバーガイド、約220件の無許可ハイキングガイドが摘発され、自然保護法の順守と啓蒙が大きな問題になっています。自然保護法では最大で懲役5年もしくは3万ドルの罰金が規定されています。