ニュージーランドの登山届のしくみ

ニュージーランドにはたくさんの深山幽谷の秘境を歩くトレッキングコースがあり、この絶景に出会いに世界各国のトレッカー・ハイカーが訪れます。携帯電話も通じない大自然の真っ只中のトレッキングは他の先進国では味わえない醍醐味です。しかし、残念ながら大怪我や道迷い、雪崩で山岳救助隊に救助要請が多いのも現状。人里離れたロングトレイルでは、事故や怪我の通報の遅れが救助活動に支障を来すことが多々あります。

2017~18年にはニュージーランド全国で延べ約77万人(うち約45万人が海外旅行者)がアウトドアに出かけ、約1600件の遭難救助活動が行われています。これは約500人に一人の割合です

日本では「登山届」を出すのが常識ですが、ニュージーランドにも「登山届」があります。もしもあなたが予定日時までに帰ってこなかったら、この登山届をもとに捜索活動が開始されます。

ニュージーランドでは、2008年頃までDOCが管轄する「登山届」がありましたが、行政改革によって現在では廃止されています。

これに代わるものとして山岳安全協議会(Mountain Safety Council)アドベンチャースマートというニュージーランド式登山届システムを提供しています。

日本の登山届は登山口に設置された届け出箱に提出しますが、このニュージーランド式登山届(上記の”Outdoor Intentions”)は、オンラインで必要事項を記入し、それを事前に“友人や肉親(緊急連絡先)”に提出する仕組みになっています。

記入欄にある”Panic Date(最終下山予定日=この日までに戻らなかったら緊急事態という日時)”までに本人と連絡がとれなければ、緊急連絡先に指定された友人や肉親が警察に通報(警察・救急は「111」です)して、捜索活動が開始される仕組みになっています。

日本とはシステムが異なるので、ニュージーランドでハイキングやトレッキングをするときにはお気をつけください。