憧れの”世界で最も素敵な散歩道”ミルフォードトラック 8日間

20世紀初めに英国ロンドンの新聞で紹介され、以来、世界中のトレッカー憧れのロングトレイル「世界で最も素敵な散歩道ミルフォードトラックを歩くモデルプランです。

山岳リゾート・クイーンズタウンから全長54kmのミルフォードトラックを歩き、世界八不思議の一つと称されたミルフォードサウンドをクルーズして、クイーンズタウンに戻るNZ国内滞在が7泊8日のプラン。ミルフォードトラックの英語/日本語ガイドを長年勤めた私がオススメする旅行日程です。

このプランでは日本発ニュージーランド航空直行便を使うと最短で8泊9日(うち機内1泊)のプランになります。ミルフォードトラックの後にオプショナルでハイキングや観光、ワイナリーツアーなどを付け加えて、あなただけのオリジナルな旅を、このアイデアから見つけてみてください。

その絶景を称えて長年に渡り「世界で最も美しい散歩道(The Finest Walk in the World)」と称された世界中のトレッカー憧れのロングトレイル。

ニュージーランドが誇るフィヨルドランド国立公園の大自然を縦断する3泊4日のトレイルで、初代ガイドのクインティン・マッキノンが1888年10月に初めてコースを開拓して以来、世界各国から数多くのトレッカーが訪れてきました。

当時、陸の孤島だった絶景「ミルフォードサウンド」への唯一のアクセスとして開拓されたミルフォードトラックの最大の見どころは、落差580mもあるニュージーランド最大の滝「サザーランド滝」。

ニュージーランド南島の神秘的なブナの森、切り立ったU字谷と氷河圏谷、マッキノン峠からの展望、NZで一番高いサザーランド滝。フィヨルドランド国立公園の「年間8000mmにも及ぶ降水量」「世界でも珍しい温帯雨林」「多くの地域で絶滅してしまったニュージーランド固有の鳥類」を体感できるニュージーランドの中でも数少ない秘境中の秘境です。

行程の4分の3は、氷河によって削られたU字谷の谷底を歩き、ブナの原生林から天に向かってそびえ立つ山々やその頂に残る氷河を見上げるトレッキング。森林限界の上にあるマッキノン峠から一望するフィヨルドランドの峰々の絶景は一見の価値があります。

入山数と歩く方向が制限されているため、ニュージーランドで3番目に混雑している(年間約17,000人の入山者数)トレイルでありながら、他に歩いている人たちに会うことは滅多にありません。

ミルフォードトラックは1989年までの約90年間、ニュージーランド政府がガイド付きツアーを運営していました。

自然保護省DOCの山小屋に泊まる「フリーダムウォーク」もありますが、歴史的な重要文化財が所属するガイド付きツアーのほうがミルフォードトラックを深く知ることができて、頻繁にある洪水(多いときは一週間に1回も!)でも予約がキャンセルされないため、おすすめです。

山と渓谷社「ワンダーフォーゲル2013年10月号」にも紹介されています。

おすすめ旅行日程

<1日目>

ニュージーランド航空直行便で東京から玄関口オークランドへは約11時間。国内線に乗り換えてクイーンズタウン空港に到着するのは午後でしょうか。

ホテルにチェックインした後は、クイーンズタウンの街中を徒歩観光。その景色の美しさから「英国ビクトリア女王にふさわしい」として名付けられたクイーンズタウン。

夕方にはガイド付きツアー会社で事前説明会を受け、憧れのロングトレイルへの期待が高まります(ガイド付きツアー会社への事前連絡が必要です)!

<クイーンズタウン泊(ミルフォードトラック前後で同じホテルに宿泊されるとスーツケース等を預けられますよ)

<2日目>

到着翌日は時差ぼけ解消・体調調節も兼ねて、有名山岳ロングトレイル「ルートバーントラック」への日帰りハイキングがおすすめ。ニュージーランドの自然やハイキングについて、日本語ガイドから事前に学んでおくと、ミルフォードトラックを歩いたときの感動が全く違ったものになりますよ。

夕方は、蒸気船アーンスロー号でディナーに出かけたり、スカイラインゴンドラ展望台での夕焼けを見ながらのディナーはいかがでしょうか?

<クイーンズタウン泊>

<3日目>

朝、ガイド付きツアー会社に集合して、バスと船を乗り継いでミルフォードトラックへ。徒歩約30分で1日目の宿に到着。チェックインした後は、ガイドと一緒に周辺の散策に向かいましょう。

<グレードハウス泊>

<4日目>

翌朝はクリントン川に架かる吊橋を渡りブナの原生林へ。やがて岸壁が標高差1200mにも及ぶクリントン渓谷に入っていきます。遠くにマッキンノン峠と万年雪を冠する優美な山々を一望でき、また雨の日に豪快に流れ落ちる滝の数々は圧巻。今日の山小屋「ポンポローナロッジ」で冷たい飲み物、暖かなシャワーが待っています。

<ポンポローナ小屋泊>

<5日目>

今日はミルフォードトラックのハイライト、マッキノン峠越えの日です。ジグザグ道を登り詰めると、ニコラス圏谷の優美な姿とマッキンノン記念碑が見えてきます。

マッキノン峠からの下りはトラックの中で最大難所。荒々しい断崖、氷河から流れ出る河川、岸壁に流れ落ちる滝の数々を見ながら「クインティンロッジ」へ。NZ最大の滝サザーランド滝を見に行くのもこの日です。

<クインティン小屋泊>

<6日目>

ミルフォードトラック最終日は世界でも珍しい温帯雨林を歩き、ボートシェッド小屋、アーサー渓谷を吊り橋、さらに有名なマッカイ滝、ベルロック、アダ湖、轟音とどろくジャイアントゲート滝など絶景ポイントが続きます。トラック最後の長く伸びた一本道を進み、感動の下山口サンドフライポイントへ。

滅多に体験できないミルフォードサウンドでの一泊をごゆっくりとお楽しみください。

<ミルフォードサウンド泊>

<7日目>

朝は名峰マイターピークを望む、憧れのミルフォードサウンドクルーズに乗船。この時間帯は、他の観光客も少なく、静かなミルフォードサウンドを体験できます。もしかしたら、岩場で昼寝をしているオットセイ、時にバンドウイルカ、フィヨルドランド・クレステッドペンギンに出会えるかもしれません。

クルーズ終了後はバスに乗り、風光明媚なミルフォードロード経由テアナウ、クイーンズタウンへ戻ります。ガイド付きツアーでは、ここまでがパッケージに含まれています。

ミルフォードサウンドは、鹿児島県の屋久島くらい雨が降るところ(年間降水量は8000mm以上=東京の約6倍!)。この日にオークランドや他の目的地に移動する計画を立てる方も多いのですが、帰り道が雨で通行止めのことを考えて、この日はクイーンズタウンに一泊するのが安全です。

この後は日本に帰国しても良し、クイーンズタウン周辺の日帰りハイキングを数日間かけて楽しんでも良し、クイーンズタウンの観光ワイナリー巡りなどを楽しんでも良いでしょう。絶景サザンアルプスの核心部マウントクック国立公園星空で有名なテカポ湖を訪れることもできます。皆さまのオリジナルな旅をご計画ください。

<クイーンズタウン泊>

<山小屋泊ガイド付きツアー運営会社>
Ultimate Hikeshttps://www.ultimatehikes.co.nz/

<日本語ガイド付き日帰りハイキングツアー運営会社>
Tanken Tourshttps://www.nzwilderness.co.nz/

10月下旬~4月末までの夏シーズン中は、ミルフォードトラックはテアナウからミルフォードサウンドへの一方通行で運営されます。ガイド付きツアーはクイーンズタウンまたはテアナウ出発の4泊5日(ミルフォードサウンド泊が含まれる)、自然保護省DOCの山小屋泊は3泊4日(ミルフォードサウンド泊が含まれていない)、また、登山口から片道約5kmの日帰りハイキングを行うガイド会社が数社あります。これ以外の日程(2泊3日など)で歩くことはできませんので、事前にご了承ください。